| 第12回 社会保険&失業率
関東では桜も満開の時を過ぎて、散り時を迎えました。
私の家の近くでは、川の土手や休耕田で、セリやノビル、土筆やヨモギなどの山野草を摘む人の姿がちらほらと見られるようになりすっかり春らしくなりました(どんな田舎だ?)。
さて今回のテーマは2つです。まずは社会保険。
非常に頭のイタイ問題です。
私たちの業界(ビルメンテナンス)は、いわゆる労働集約型産業の最たる業種です。
売上高に占める人件費比率は約60%にもおよび、近年はお客様からの値下げ要請もあり、これが更に上昇する傾向にあります。
そしてここに来て、社会保険の適用範囲拡大の動きが活発になってきているのは周知のこととなっています。
具体的には、従来は適用外だった、30時間/週未満(20時間/週以上)の労働者にも社会保険を適用させようというものです。
理由は、社会保障制度の核である「健康保険制度」と「年金制度」が破綻して、維持に必要な"お金がない"からです。
個人負担だけでなく、会社負担も増えます(試算では双方3割増といわれています)。
これは、相当に深刻な状況で、労務倒産する企業が出てくるともいわれています。
また、ダブルワークやトリプルワークも当たり前になってくるでしょう。
そこで当然ながら、私たちの業界ばかりではなく、経済界全体が反対しているのです。
経済界や労働者からの反対が強いので、いまは政府も鉾を納めていますが夏の参議院選挙後にまた再燃するのは確実です。
今後はますますパートの短時間化(3時間/日以下)を進めて、戦力化も図るという一見して背反する事をやっていかなければ、企業組織は生き残れません。
そして、2つ目の失業率。景気に明るい兆しが見えてきたとはいえ、失業率は横這いです。
実際にハローワークに行ったり、求職者との面接をしていると、感覚的に理解できると思うのですが、就職に対するニーズは高いにも関わらず、いわゆる「雇用のミスマッチ」が起きています。
加えて、ワークシェアリングを政府も謳い始めており、前述の社会保険の問題と相まって働く側もダブルワークやトリプルワークに向かわざるを得ない状況が、作られつつあります。
マクロ的に観ると、資本主義経済が成熟期を迎えると、いわゆる「ゼロサム社会」に向かうといわれています。
したがって、このような状況は、ある意味必然とも思われます。
しかし、雇用の維持すらできなくなるような制度の改正と、個人生活に著しい変化を強いてまで維持しなければならない社会保障制度の存在意義は、改めて考え直したいと思っているのは、私だけでしょうか?
次回は「他己評価」を取り上げたいと思います。
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